メタルヘッド



これまで、バトルテックや、PCの『METALTECH:EarthSiege』、メガCDの『バトルコープス』等、数々のロボット物をプレイしてきたが、この、

スーパー32X用『メタルヘッド』(セガ)

には称賛の言葉を贈りたい。

 舞台となるのは、近未来の都市。これまでのロボット物は、多少の障害物があるにせよ、広大なフィールドが舞台だった。フィールドでは、航空兵器や、場合によっては戦術級の大型ミサイルがイニシアチブを取る。人型兵器はむしろ、このような市街戦において能力を発揮する。この点を考えると、この作品の舞台設定は的確だ。
 お気に入りの兵装は、マシンガン+ハンマーナックル。ホイールダッシュを組み合わせると、雰囲気はバッチリだ…

…雨垂れが作る波紋の様に、レーダーは敵の存在を示している。すかさず、クライヤーホイールを回す。横方向に強烈なGが加わり、一瞬、視界が歪む。眼前を遮るレンガの壁が途切れると、前方に敵機動兵器の姿が見える。こちらの存在に気付いた敵は、ゆっくりとこちらに回頭する。マシンガンを叩き込みながら、ホイールダッシュを掛けたままヤツに近づく。ヤツはこちらには回り切っていない。寸前で制動を掛ける。クライヤーホイールの逆転する甲高い音が響き、鉄の焼けるような匂いが硝煙の薫りに入り交じる。逆Gに耐えながら、武器をハンマーナックルに切替え、ヤツの腹にいやというほど叩き込む。ディスプレイは淡々と「HIT」の文字を吐き出している。やがて眼前の巨大な鉄の塊は崩れ落ち、ラジオは「ミッションコンプリート」を告げる…

作戦内容は、必ずしもバリエーションに富んでいるとは言えない。しかし、偵察、探索、夜間の奇襲、通商破壊といったものもあり、破壊一辺倒で無いところは評価したい。できれば、護衛ミッションがあれば良かった(列車襲撃は最初、列車を護衛する任務だと間違えてしまった(^-^;))。
戦場で戦っているのは、プレイヤー一人では無い。ヘリや爆撃機も作戦に参加してくれる。戦争は一人でやるもんぢゃ無いし、プレイヤーはヒーローでは無い。戦場では、一兵卒にすぎないのだ。
しかし、味方がもっといても良かった。プレイヤー機以外の機動兵器が作戦に参加すると、なお面白いだろう。登場人物を増やすことで、かの名作『レイノス』のようなドラマが生まれる可能性もあるのだから。

このゲームのシステムには、バトルテックや他のロボット物にあるような、上体(トルソ)の旋回という概念が無い。かわりに、『DOOM』等のような横(平行)移動(サイドステップ)がある。ゲームの性格にもよるのだが、この作品にはトルソ旋回を採用しなくて正解だったと思う。市街地のような複雑な地形で、前(進行方向)を見ずに進むと、どれだけ衝突しストレスが溜まることか。また、トルソをひねって、ビルの影から敵をスナイプ(狙い撃ち)す
る、といった市街戦ならではの醍醐味も、サイドステップによってある程度実現できる。
また、『バトルコープス』の時に味わった、敵の遅い弾が来るのが判っていながら、避けようが無い…せめてサイドステップがあれば…というもどかしさも、もちろん解消している。

ダメージに応じて能力が低下する、ノクトビジョン(暗視装置)。Englishモードでのみ体験できる、レーダー性能の低下。こういった部分々々の性能が序々に削られていくのは、現代の複雑化した兵器を体現していて面白いし、ゲームとしての緊張感も醸しだしている。
このような理由から、ぼくはレーダー性能低下のあるEnglishモードで遊びたいのだが、このモードだとホイールダッシュが使えない…もちろん、ダッシュは日本語モード同様存在するのだが、早足で駆け回っているのだ(^-^;)。オープニングデモでも再現されているので、知らない方は見てみて欲しい(けっこうマヌケ)。英語圏には「ホイールダッシュ」の文化は無いのか(^-^;)?(ちなみに、最初の「セ〜ガ〜」も「セガッ!」に変わるので試してみて(^-^))

もちろん、不満な点は多々ある。
着弾が判りにくい。敵の動きが単純すぎる。敵が脆すぎる。ステージ数が少ない。任務が似通っている。コクピット視点での歩行感が感じられない…等々。
しかし、もしもこの世界に入り込むこと(感情移入)ができたら、この作品は充分期待に応えてくれる、それだけの力量を持っている。

ロボット兵器に愛を感じる人向け
おすすめモード:PHOTO、後方視点(歩いてる感じがする)、ハンマーナックル
見どころ:夜間戦のノクトビジョン、某アニメのようなSE(効果音)

硝煙の匂いと、鉄サビの味を感じることができた作品だった
(『バトルコープス』はなぜだか油絵臭かったしなぁ…(^-^;))

(あらP★)


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