リスター ザ・シューティングスター


「リスターザシューティングスター:序曲」
僕はリスター。
ここは何処だか分からない宇宙のどこか。

誰がリスターというゲームを作ったのかは僕は知らない。
リスターも色んな世界を飛び回るけど、別に仕事でってわけじゃない。
飛んでいく先は知らない星。その前にいたのも知らない星。
地平線の向こうまで森が続いてた。聞いたこともない音が聞こえてた。
先へ、もっと先へ。飛び跳ねて、手を伸ばして。その先の先へ。

いつも独りで飛んでた。歓迎してくれる奴もいた。でも先へ、もっと先へ。
最初は体がいうことを聞かなかった。簡単なことでつまづいてた。
でも今は違う。どんな壁だって上れるし、足場が滑ってもけっこう平気。
旅は辛くなっていったけど、気持ちは速くなった。段々澄んでいった。

リスターは半透明。
見つめてもピントが合わない。
リスターはいつも揺れているから。
走るのは恐い。いつも世界は安心できないからついついどこかに手を伸ばしちゃう。

リスターは何処にでも行く。狂った星から狂った星へ軽やかに飛ぶ。
密林へ、水中へ、火炎の中へ、音響の渦へ、凍り付いた地へ、重力の乱れた場へ。
狂った歴史を見たいならリスターに付いて行けばいい。

リスターは話さない。
機嫌が良いときだけちょっと声を上げる。
次の星へ飛び立つ時にいつも一声残すことにしてる。
誰かに聞いて欲しいわけじゃない、次のステップへのリズムを作るんだ。

リスターは速くない。
いつも世界のペースの方が速い。
水の中ではちょっと速く動けるけど、体が重くて好きじゃない。
高いところは恐いけれど、ときどき何処までも昇っていきたくなる。

リスターは気持ちが軽い。
知らない星へ全力で飛んでいける。
空を飛ぶときはハンドルが欲しいけど、気持ちはいつでも流れ星。

僕はリスター。
ここは何処だか分からない宇宙のどこか。
だからなかなか見つからないけど、宇宙の深いところでいつでも光ってる。
(山崎芳達)

「リスターザシューティングスター」
「リスターザシューティングスター」は
メガドライブ最良のアクションゲームの一つだ。
ビジュアル、サウンド、アイディア等と
細々考えていってもホントにいちいち優れている・・
なーんておカタい評価の仕方はこんな良くできたゲームには失礼だ。
良いよね。ホント良いよ。ホントに。

リスターは手が伸びる。それで木も壁も上れる。敵も掴める。
掴んだら自動的に頭突きをする。それで敵をやっつける。
あと、ジャンプもできる。
リスターはこの二つの事が出来る。
特に手を伸ばす仕草はこのゲームの特徴だし、
リスターというキャラクターの個性でもある。
好奇心、冒険心、期待、飛躍、甘えん坊。
アクションゲームのメインキャラクターの孤独性を
リスターは鮮やかに表現している。

かなりクリアには苦心した。
それでもクリアしたいという気持ちは折れなかった。
旅する子供の強さと弱さをリスターは持っている。
だからリスターに負けて欲しくなかった。

七つのラウンドはどれも良く個性づけられていて全体に充実している。
つまりデザインが良い。
僕は特にラウンド4音の星が好きだ。シュールでポップで。
ラウンド5のワオイというキャラクターも良い。
リスターとワオイは奇麗な関係を見せてくれる。

リスターにはアンラッキーな点があったかもしれない。
オーソドックスなゲームであったし、
発売時期にはメガドライブの後継機セガサターンが既に発売されていたので
話題性の点で地味だったと思う。
僕自身、発売から一年以上もリスターを買っていなかったのだ。

しかし、僕がリスターで遊んで感じたのはメガドライブ=16bitゲームへの
感傷などではなくて、単純にゲームクオリティの高さだった。
ゲームの個性と言うより人格に近いような印象だった。

リスターはメガドライブ16bitアクションゲームの歴史が作ったと思う。
「良くできてる、ホント」
このフレーズを音読する時は「良く」のところで一瞬目を閉じる感じで。
(山崎芳達)

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