ビューポイント


 このホームページにアクセスしてくれる人なら、メガドライブが海外ではGENESISという名前でS−NES(海外版スーパーファミコン)と互角の勝負しているのはご存知かと思います。好評なハードだけに、海外でもかなりの数のソフトがリリースされていて、日本で知られていないタイトルや、国内ではMD移植・開発されていない海外のみのタイトルなんかも数多くあります。今回はそんな中から元ゲームも存在もマニアック気味なタイトルをひとつ。

 SNKのNEOGEOでカルトな名作シューティングの一つに「ビューポイント」というものがあります(サミー工業,1992年製)。斜めスクロールという珍しいシステムとポリゴンを意識した超美麗2Dグラフィックと卓越したデザインセンスで、多くは知られていないもののシューティングの中では名作の一つと言われています。
 国内では当時ネオジオROMの出荷数が少なく希少価値がかなりありました。他の機種に移植を希望する声も多かったのですが、当時は一部のパソコンにしか移植もされずにいたものでした。

そう、国内では。

 ようやくその2年後、1994年にオリジナルの発売元サミー工業からGENESIS版が海外でリリースされたのでした。いくらNEOGEOとMDが同じCPU構成(68000+Z80)でもハードスペックがケタ違いなのにどこまで忠実な移植出来るのか…
 そんな期待と不安の入り交じる中、リリースされたソフトは驚嘆モノでした。実に良く出来ているのです。
 グラフィック、VGM、操作性。ネオジオより劣るハードスペックなのは十分承知で、その中で可能な限りの忠実さとクオリティを保つ、見事にメガドラナイズされたソフトとなっていたのです。
 VGMの「ワン・ツー・スリー・へィ!」やボス前の「イェーィッ!!」まで再現しているのは最初耳を疑ったほどの忠実度です。ネオジオ版で名前の無かった自機に「Byupo fighter」と名前が付いたあたりは、ちょっとご愛敬というトコでしょうか(笑)。
 一部「青ボム(ショックウェーブボム)」のグラフィックに変更が施されていたり、一部の敵やボスの攻撃パターンに省略がされていたりしますが、雰囲気やオリジナリティを極力損なうことなく変更されているあたり、移植スタッフのセンスがうかがえます。サミー工業は元々MDソフトをいくつかリリースしているトレコブランドの大元と言われていると聞いてます。MD開発上のノウハウもかなりあったのでしょう。

 結局日本ではMD版として発売されるアナウンスのカケラもなかったのですが、海の向こうで立派なGENESISソフトとして名を残していたりします。
正直、羨ましいことしきりですね。

(宙太郎)
注:国内MDで動かすのに変換アダプタや本体改造を必要としません。個人的な動作確認はワンダーメガ1で行っております


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