バトルモンスターズ




イラスト:山崎芳達

バトルモンスターズ(以下BM)はサターン最初の2D格闘ゲームだ。
という紹介は、マーケティング上のな分類としては正解だろう。
でもBMはそんなありきたりなゲームじゃない。
例えばその構成、世界観の人文的な完成度は家庭用ゲーム最高のものと言い切れる。
優れたデザインがある。優れたアイディアがある。優れたテーマがある。
優れたメロディがある。優れたリズムがある。優れた言葉がある。
メランコリィがある。ユーモアがある。ノスタルジアがある。
何より素晴らしいのは、これだけ揃っていながら全体の印象はファニーで軽いんだ。

もしあなたが買わないまでもBMを遊ぶ機会があれば、簡単なゲームだから、
オプションでズルしても構わないから、きっとエンディングを見て欲しい。
全キャラのエンディングを見て欲しい。
ドラマツルギーの結晶がそこにある。
うけあっても良い。これ以上のエンディングスクリプトはどこにも無い。
そしてBMが他の多くのゲームとは何かが違うことに気が付いたら、
見つめてやって欲しい。耳をこらしてやって欲しい。
BMが商品を超えて作品として成立している姿が見えてくると思う。
その全ての要素が一つになったBMの秘めた姿が見えてくると思う。

それで遊べるゲームなのか?という疑問もあるだろうけど、勿論とても楽しい。
そりゃぁ格闘システム面はカプコン作品なんかにはかなわないよ。
そういうエネルギーをつぎ込んだチューニングは無い。
でもキャラ達のアクションはとても面白いものばかりだからリラックスして遊べる。
言ってみればこれも美点だよ。

ここまで読んでくれた人にはもう少しの本音を言おう。
出来たらあなたが小学生の時、無心にTVマンガを見ていた思い出があればと思う。
あなたがその頃のことを良い思い出として持っていてくれたらと思う。
したり顔でセンスがどうのと言う気はないけれど、
BMは感受性で人を選ぶかも知れない。
これだけは言える。BMは何かと競争させる為に生まれた作品じゃない。
じゃあ何を期待されて産み出されたのか。
僕はBMをゲーム離れしたとても奇麗な作品だと思っている。それかも知れない。

(山崎芳達)


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