キングボクシング・オブ・ボクシング



 キングオブボクシング(以下キンボク)はポリゴンCGのボクサーがボクシングをするゲームだ。んでチャンピオンを取ればいい。シンプルでしょ?操作も簡単、例えば左に方向ボタンを入れてパンチボタン(B,C)を押せば左パンチが出る。右なら右パンチが出る。ガード(A)ボタンを押せばガードする。簡単に出来そうでしょ?

 で、ボタンの組み合わせによってはもっと色々なアクションが出来る。これはゲームを進めるにつれて憶えていけばいい。実際勝ち進んでいくと突然片目のコーチが現れて新しいパンチを教えてくれる。操作感としては反応が遅い感じだけど、まぁ慣れればOK。それがスリルになっているし。


ここからは趣味の話。
ボクサー(キンボクサーと呼ぼう)のデザインがホント良い。
カクカク・ポリゴンだけど、テクスチャも含めて素晴らしいデザインだと思う。
キンボクは12種類の視点が選べるんだけど(床下視点まで有る)、僕は断然ボクサー視点が好きだ。
だって敵ボクサーの顔の表情が楽しいんだ。
黒人ボクサーの威圧するような目、白人ボクサーの冷たい目、女性ボクサーの不思議な目。
撃たれると痛そうに目を瞑るし、相手をダウンさせると威張る。
「ヘイ!」とか「ア〜ハ〜ン」とか言うんだ。腰振る奴もいるんだぜ。
勿論そこに表情があるっていうのは「勘違い」なんだけど、自然に勘違いできるのは、やっぱりデザインが良いんだな。

演出っていう切り口で言えば、実際のボクサーが感じているだろうスペクタクルをかなり贅沢に抽出してる。
例えばダッキング(屈む)出来るんだけど、ボクサー視点で相手が飛び込みダッキングして来ると大迫力だぜ。
2人同時に飛び込みダッキングしたら、もう頭突きかキスのごとき大接近だ。
ガードそっちのけの乱打戦になれば、グローブが飛び交い、画面が揺れ、表情は歪む。
ダウンを奪えば相手を見下し、こちらが倒れれば逆になる。
あと1ダウンでTKOってとき、相手に詰め寄って行くときなんかゾクゾクだった。

最初は勝てないかもしれないけど、勝ったときは嬉しいぜ。
判定の後の勝ち名乗りがあって自キャラがアップになるんだけど、その時なんとも言えない表情に見えるんだ。
僕は一回勝った後は試合を楽しめるようになった。
すんごい勝てないときもあったし、ラウンドが進むと結構疲れたりしたけど。

なかなか愛敬もあるよ。
片目のコーチは角瓶片手に現れたり、チャンピオンを取ると、VSモードでイカす隠しボクサーが使えたり。
(教えちゃおう。カンガルーと角瓶コーチとバーチャファイターのデュラルみたいな奴だ。)

自分で使うボクサーはデビュー前に編集して作るんだけど、これも楽しい。
作ったキンボクサーはパワメモに入れて、知り合いのキンボクサーと対戦できる。
リプレイもあるし、リプレイも視点移動出来るし。
一旦はまれば随分遊べると思う。

このゲームにはオリジナルがある。パソコン用の4Dボクシングだ。
もっとも制作者が大幅なブラッシュアップを施していて全く違うレベルの仕上がりになっている。
ボクシングジムにも協力して貰っているし(幸運なことにジムにプログラムが分かる人がいたとか)4Dボクシングの作者さんも大満足していたそうだ。

色々書いたけど、要は十分な作り込みがされてるって事なんだ。
特に注目を集めた作品じゃなかったから、なおさら清々しい。
かなり好きです。

(山崎芳達)


 僕も「キンボク(略)」はやりこみました。これは、勝ち負けよりも、自分の理想のボクシングをどこまで、実現できるかがポイントだと思います。ボクシングが好きなら、楽しめるのではないでしょうか。

(真司)


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