『スト2』の成功以来、これをベースにカプコン以外のメーカーからも、数多くの格闘ゲームが世に送り出されてきた。
多くの格闘ゲームが、キャラクターが人間であるが故の肉体的制約を持ち、(それは後に発売された『 X-MEN 』も例外ではない)さらなる演出を求められ、人間としての限界を越えてしまった途端、キャラクターとのシンクロ(痛みの共感度)を下げてしまう結果に陥った。
『ヴァンパイア・ハンター』は、キャラが元人間、もしくは人間に近いながら、人間の制約から外れても許される存在であるが故に納得され、アニメーションであること、アニメーションでなければできないことが、最大限活用できたゲームである。
特にアナカリスやフォボスなどは、「一体どうやったらそんな変形ができるんだ」というぐらい、すさまじい動きをする。それはもう、見ているだけで楽しい。
しかも、部分部分を誇張することが効果を生むディフォルメが、ともすれば、それによりバラバラになってしまう一つ一つのパターンを、違和感なくまとめた、センスは賞賛に値するものであると思う。
多くの人は、『スト2』が一番面白いと言うだろう。しかしこれは、ディズニーアニメが、人間よりも動物を描いた時の方が、そのすばらしさを実感できるように、2Dアニメーション・ゲームとして、もっともその効果を発揮しているのは、人間という制約をもたない者達が闘う『ヴァンパイア・ハンター』なのだ。
惜しむらくは、本来なら引き継ぐはずの『スト2・シリーズ』を長く引っ張り過ぎ、3Dの格闘ゲームの台頭と重なり、そのインパクトゆえに霞んでしまったこと。これも闇の者の宿命なのであろうか。
そんなゲームの移植版であるが、出来は、そのエッセンスを忠実に盛り込んだこれ以上何を望むか、というほどの完成度である。
確かに、アーケードよりキャラパターンは減っている。しかし、95年11月にリリースされたサターン版『 X-MEN 』よりも、「どこを削るか?」がきちんと考えられており、まったく不自然さは見えない。かえって、すっきりしている感すらある。
CD-ROM 媒体特有のロード時間も、オープニングデモから、スタート画面の間のローディングがなく、また「Now Loading 」の文字が点滅しないことで、まぎらわしさがなくなっており、イライラを感じないでプレイできるだろう。
さらに、キャラ選択時の簡易モードが付いており、ロード時間の短縮の努力がうかがえる。
ゲーム性も、リズム良くボタンを押すだけでコンボがつながりようになった懐の広さ、また攻撃することで貯まるスペシャルゲージで、必殺技をさらに高めたり(ES)、派手なEX必殺技が使えるようになるなど、演出面のグレードアップはシステムの完成度と供に、まさに2D格闘ゲームの最高傑作と言っても恥じない出来といえるだろう。
(りん)